一般社団法人 日本シェアサイクル協会

シェアサイクル普及に向けた協会メッセージ

一般社団法人 日本シェアサイクル協会 会長 髙橋洋二

 わが国では120を超える都市でシェアサイクルが導入されていますが、自転車台数・ポート数のいずれをとっても都市交通システムとして期待されている役割を果たすのに十分な水準・規模に達していません。これらのシェアサイクルを海外の先進都市並みの水準・規模にまで高めていくためには超えるべきハードルが少なくありませんが、第一にシェアサイクルが自動車交通の抑制・エネルギーの節約・環境改善・健康増進に貢献する公共性の高い交通システムであることについて社会的に広く認知される必要があります。そしてシェアサイクルが都市の公共交通機関として位置づけられ、その導入に対して自動車ドライバー・商店や事業者・バスタクシー等交通事業者も含めて社会全体が賛同・協力できる社会的コンセンサスを形成する必要があります。

 すでにわが国は人口減少・高齢化社会に突入し、自動車に依存しすぎた都市構造を徒歩や公共交通機関を中心とした『コンパクトシティ・アンド・ネットワーク』型都市に改変する施策が国を挙げて推進されております。シェアサイクルはこのために不可欠な公共交通システムの一環を担うことができる優れた交通手段であると期待されております。シェアサイクルの役割については、平成28年度に公布された『自転車活用推進法』の主要施策の一つとして位置づけられ、国による『自転車活用推進計画』を受けて、現在地方公共団体による『自転車活用推進計画』が検討されつつあります。今後、シェアサイクルを都市の重要な公共交通機関の一つとして位置づける都市が一層増えていくことに大いに期待しております。

 『一般社団法人日本シェアサイクル協会』は平成28年に設立されましたが、爾来シェアサイクルが都市交通の社会資本として導入促進されるよう、社会的コンセンサスを形成する努力を続けてきました。今後とも日本シェアサイクル協会は、①自転車レーン・ステーションなどの配置・構造基準の策定、②整備・維持管理・料金をはじめとする事業スキーム・助成方法、③交通ルール・交通教育などの徹底などについても研究・枠組みの確立に邁進し、全国の地方公共団体や民間団体に対する情報提供・技術的協力などを積極的に進めていく所存です。